「BluetoothとUSB」零細メーカーが規格ものを使うハードルは結構高い!

ナチュックスピーカーで現在販売中のスピーカー&アンプ(Light Years 01)ですが、元々の仕様は、BluetoohのオーディオレシーバーとUSB-DACが内蔵されていました。一番最初に設計した試作品も、BluetoohのレシーバーとUSB-DACが搭載されていました。しかし、現在販売している製品には、BluetoothとUSB-DACはあえて搭載していません。

「どうして、BluetoothレシーバーとUSB-DACを仕様から削除したのか」
なかなかこんな話をする機会がないため、この場を借りて少しお話させて頂きます。

企画時点ではBluetoothとUSBは生きていた

現在、他社の製品群では、BluetoohレシーバーやUSB-DACが搭載されているオーディオ機器が多くなってきています。「他社の仕様に見劣りしてはいけない」と、どこかで勝手に思い込んでいたナチュックスピーカー開発陣は当然、企画の時点から仕様にBluetoothレシーバーとUSB-DACを盛り込んでいました。

多機能な製品となるため設計も大変です。デジタルノイズを極力減らすようPCBのレイアウトを色々考えたり、PCやOS(WindowsとかMacとか)との互換性を調べたり、マイコンの制御プログラムも複雑で、テストするのにもかなり時間がかかりました。当然、機能が増えた分、コストアップするため販売価格も現在より高い設定にしていました。他社と比較して恥ずかしくない仕様の製品こそ素晴らしいと思い込んでいたのです。

最初の試作品

Light Years 01の最初の試作品はBluetoothとUSB-DACが搭載されていた。その分、販売価格も高めの設定だった。

 

2014年に行われたBluetoothのライセンス変更に動揺

当初、Bluetoothに関してはライセンス済のモジュールを製品に組み込む場合、ライセンス料は無料であるという認識でいました。そのため、ナチュックスピーカーはBluetooth SIGのアダプターメンバーとしての登録も行い万全の準備をしていました。ところが、2014年、Bluetoothのライセンスに関わる内容に大きな変更が発生たのです。

それは、ライセンス済のモジュールを使用する場合でも、「初回のみライセンス料を支払わなければいけない」というものでした。金額についても、ベンチャー企業向けのライセンス等で、ある程度リーズナブルにする交渉も可能なのですが、それでも何十万円という金額であったため、悩んだ末、Bluetoothは搭載しないという結論に達しました。

同時に搭載するUSB-DACについてもベンダーIDの登録(ライセンス購入)が必要であり、とても売り上げのない零細メーカーでは「支払うことが出来ない」というより、「どうしても支払う気分になれない」のです。これは戦略的というよりその時の感覚的なものです。大手メーカーの場合、数十万円のライセンス料金は、何の問題なく支払うことができるのですが、零細メーカーの場合、かなりの投資額となるためハードルが高く、本当に費用対効果があるのか、かなり悩んでしまいます。

結果オーライだったBluetoothとUSBの両方を搭載しないという選択

なぜBluetoothに続いてUSB-DACまで搭載を止めたのか。

1つは、単純にUSB-DACだけついていても仕様として中途半端であると感じたことです。他社の仕様と張り合う場合、どうしても中途半端に見えたのです。

でも最大の理由は、
「大手メーカーとは同じ土俵に乗らない」と決め、目指す方向を変更したことです。

今思えば当たり前のことなのですが、仮に、同じ仕様の製品を作ったとしても、リソースも資金もない零細メーカーに勝ち目があるわけがないのです。ナチュックスピーカーは「独自のASCT技術」と「手作りの無垢材スピーカー」であることだけを前面に打ち出し、あえてその他の特徴を排除したともいえます。このことは結果的にナチュックスピーカーの本当に伝えたい特徴を際立たせることにつながっています。

BluetoothレシーバーやUSB-DACは半導体チップの性能が命

BluetoothレシーバーやUSB-DACでその製品の特長を出すのはなかなか難しいと感じています。それは、製品仕様の大部分が半導体チップの性能で決まってしまうため製品のオリジナリティーが出しにくいためです。

例えば、Bluetoothレシーバーであればバージョンや、コーデックの種類。USB-DACであれば、ビット数や周波数帯域(よく言うハイレゾかどうか)などです。これらはすべて、どの半導体チップを採用するかで仕様が決まってしまいます。

本当のことを言えば基板の設計や使用する部品(コンデンサなど)で大きく性能は変わるのですが、一般ユーザーからすると、カタログに現れる半導体チップの性能がすべてなのです。この場合、性能の良い半導体チップを大量に安く仕入れることのできる大手メーカーに太刀打ちできるはずがありません。

とは言ってもBluetoothとUSBは便利!

でもやっぱり、イージーリスニングでは、Bluetooth。本格的なPCオーディオでは高性能なUSB-DACが欲しいものです。この記事を書いている私も便利なので両方使用しています。

ではどうするか。。。

ナチュックスピーカーではこの部分を大手メーカーさんに100%ゆだねることにしています。あえてコストアップしてまで自前でBluetoothやUSB-DACを用意する必要はないと感じています。ホームページ上でも某メーカーさんのお手頃価格で手に入れられるBluetoothレシーバーやUSB-DACを紹介しています。

例えば、ナチュックのスピーカーをテレビに接続するお客さまはBluetoothやUSB-DACはそもそも不要ですし、お金をかけて、もっと高性能なBluetoothレシーバーやUSB-DACを接続したいお客さまもいるかもしれません。BluetoothやUSB-DACを搭載しないと決めたことで逆に自由度が増えたともとらえることができるわけです。

ナチュックスピーカーとしては製品を購入して頂いたお客さまが他社のBluetoothレシーバーやUSB-DACを「ついで」に購入して頂くことで、オーディオ業界全体が発展すると共に、「ナチュックスピーカー」と「大手メーカー」と「お客さま」がWin-Winのしあわせな関係になれればと願っております。

ほんの少しのお願いです。

ナチュックスピーカーはこの度、無料で利用できる楽曲(BGM)のダウンロード配布を始めました。お試しで数曲ご試聴頂けると幸いです。

フリー楽曲(BGM)試聴リンク